ワインパラディースを支える生産者たち

ワインパラディースではドイツとオーストリアの13の生産者からワインを仕入れています。
どの生産者さんも試飲の最初のひと口目でほぼ決まり、正に一目惚れです(そんなに惚れっぽいわけではないのですが…)

すんなり口に馴染む心地良い瞬間、出会いの興奮から次に続くワインたちでそれが求めていたものだと確信する歓び、インポーター冥利に尽きます。

それでは、ワインパラディースの魅力たっぷりの生産者たちをご紹介しましょう!

マルクス・ハイト

シュトゥットガルトの近郊フェルバッハで1699年より続く家族経営の醸造所。
10代目のマルクスは名うての実力者が揃うフェルバッハで、気負うことなく自然体のワインを醸しているビオの造り手です。
ハイトのワインを口にすると、他のフェルバッハの造り手に比べ地味に感じますが、独特の秘めやかな世界を醸し出します。
この静寂の旨さこそドイツ人が愛する森の味、ドイツの味だと確信しました。

ホルガー・コッホ

カイザーシュトゥールの心臓部ビッケンゾールの美しいテラス(段々畑)に8haを所有し、ピノ種を主に栽培する純粋な家族経営の醸造所。

風化火山岩の土壌からは本来力強いワインが生まれますが、夫婦が目指すスタイルはフレッシュで軽快且つエレガントなワイン。

此処のワインを口にして、”カイザーシュトゥール=重厚”が粉々に砕かれました。
コッホのワインには日本人の精神文化に繋がる慎ましさと滋味深さがあります。

ラルフ・キルヒナー

キルヒナーは、1974年にギュンター・キルヒナーがフラインスハイムに設立した醸造所で、2013年に息子ラルフが加わり品質が急上昇、2015年にはヴィノテークを新装しました。
所有面積は17ha、フラインスハイムを中心に畑が5ヵ所あります。
陽気なラルフが醸す白は強靭な酸とミネラルを持ったなかなかの硬派、赤はダークな果実味にほんのり樽香が溶け込みバランス感に秀でています。

シュテファン&ゲオルグ・シュヴェートヘルム

ファルツの最北端、ラインヘッセンに隣接するツェルにある醸造所。
2006年にガイゼンハイムを終えた兄シュテファンと、経営学を学んだ弟ゲオルグがファルツ最古の銘醸ツェラータールのワインを再興。
2010年よりビオに転換、テロワールを最大限に引き出すため畑は手作業で細部まで惜しみなく労力を注いでいます。

ワインは研ぎ澄まされたクールな酸をベースに近年はミネラル感が増幅、鼻腔の奥まで浸みてくるかのようです。

アレクサンダー・プリューガー

バート・デュルクハイムに本拠を置き、デュルクハイム、ウンクシュタインなど合わせて38haを栽培する自然派の造り手。
20年にわたり自然農法を実践してきた父の跡を2010年に継いだアレクサンダーは、現在ECOVINとデメターに加盟する自然派の申し子。
ラベルの人物は正に”プリューガー”=耕す人。

そのワインは熱狂的ファンをして霊験あらたかと言わしめるほどです。

マリー・メンガー・クルーク

ダイデスハイムで1838年より続く醸造所モッツェンベッカー内に、所有者メンガー・クルーク家の娘マリーがゼクトに特化して立ち上げたゼクトグート。
2014年にビオ認定、代々ゼクトを造っていた家系だけにセンスは抜群、酵母への愛情は計り知れない。
伝統のシャンパン製法に加え、試行錯誤の末に完成した1次発酵のみのメソード・ルーラルは、熟成ワインが泡に溶け込んだような濃密さ、別世界の泡です。

マルクス・ハイト&ルーカス・ハーマン グート・ヴィルヘルムスベルク

1845年から続くキッツィンゲンのミューシェル家の醸造所を2019年マルクス・ハイトが買取り、新進気鋭の醸造家ルーカス・ハーマンと運営しています。

7.5haの畑は3か所に分かれ、いずれも有機農法で栽培されています。

ハイトらしい堅固なミネラルは此の地でも遺憾なく発揮されていて、今後ルーカスが絡んでムシェルカルクとコイパーの土壌からどんなワインを出してくれるかとても楽しみです。

シュテファン・クレマー

アウエルンホーフェンにあるナトゥーアラント加盟の醸造所。
75haもの農地を所有し、穀物や野菜、家畜も養っている生粋のエコ農家。
栽培面積は4ha、急勾配の畑タウバーツェラー ハーゼンネスレ、レッティンガー フォイアーシュタインは、いずれもムシェルカルク(貝殻石灰岩)。
ロワールとジュラが好き、というシュテファン、彼のワインはスーッと入る軽やかな飲み口、後には強烈なミネラルの余韻、なるほど頷けます。

パウル・ヴェルトナー

シュタイガーヴァルトのレーデルゼーに古くから居を構え、若くしてフランケンの重要生産者となったパウル。
VDPメンバーですが、芳醇な果実味ベースのワインが多い中、彼のワインは土味やハーブを含んだミネラルベースで趣を異にします。
三畳紀ギプスコイパー(石膏泥灰土)から、抑制の美、旨みがじんわり広がる品格のジルヴァーナー(此処ではSylvanerと綴る)を生み出します。

マルクス・シュマハテンベルガー

ヴュルツブルクに隣接したランダースアッカーに居を構え、醸造所の歴史は16世紀末まで遡ることができます。
2015年に両親の後を引き継いだマルクスは自然農法に取り組み、2019年にEcovinのメンバーに加わりました。

9haの畑はムシェルカルク(貝殻石灰岩)ですが、彼のワインはフレッシュで透明感があり、グリップがしっかりしています。
土壌の先入観を見事に裏切る新しいワインがそこにありました。

マルクス・ヒラブラント

イプホーフェンから南へ10Km、小さな村ヒュッテンハイムで1929年より家族で営む醸造所。
すり鉢状の山腹にある所有畑ヒュッテンハイマー・タンネンベルクとブレンハイマー・パラディースはコイパー土壌。
彼のワインは瑞々しい味香をベースに何杯飲んでも飲み飽きしない人懐っこさとどんな料理にも合う寛容さがあります。

「ワインは人柄を表わす」とはよく言ったものです。

マルティナ&ヨーゼフ・エーモーサー

ブドウ畑がのどかに広がるヴァーグラムのティーフェンタールで三代続く家族経営の醸造所。

現当主ヨーゼフは妻マルティナと共に持続可能なブドウ栽培と自らの妥協なき品質基準を実現するため自然と調和した有機農法を実践しています。

彼らのワインは、レス(黄土)の特性である芳醇な果実味を持ちながら、ストレスを微塵も感じさせない軽妙で絶妙なバランス感があります。

ヨーゼフ・ピンペル

ローマ帝国の遺跡が残るペトローネル=カルヌントゥムで代々続く家族経営の醸造所。
2003年に両親の後を引き継いだヨーゼフが理想のワイン造りに心血を注ぎます。
醸すワインは緻密で寛容、ひたむきさが権化したミネラルにポテンシャルの高さを感じます。
2021年にラベルを一新、町のシンボル、ローマの凱旋門ハイデントーアをあしらったデザインは本人も大満足。